2012年8月3日金曜日

DSD信号のDACなし直接再生

以前からTwitter上でもLPFのみでDSD信号を再生する話題はあり、やってみようと思いつつも、回路構成がよくわからず試すことをためらっていましたが、このところ、新大陸への誘いさん や PCで音楽さん 始め多くの方がDSD信号をLPFのみで直接再生しているのを見て、とりあえず実験をしてみることにしました。

バランス回路化するとなると、みなさんの実験例をそのままともいかずで、試してみるにしてもやはりどうすれば良いのか悩んでいましたが、トランスを使うとローパスフィルタにもなり、トランスIVに近い回路構成でいけるのではないかと思いたち、お気楽さんの高速アイソレータは実現するのか?ぺるけさんの秋月電子のDACキットを使ったトランス式USB DACの回路構成を見つけ、参考にしつつ試して見ることにしました。

 まずは、シンプルにほとんどトランスのみ(トランスIV変換回路のまま)で実験を開始。
 下図のようにFPGA内でL/R各々4つの端子に正論理のまま、4つの端子に不論理に変換して接続してドライブ能力をアップしたプッシュ・プルの構成にしました。
 CycloneIVは3.3V Outの場合8mAまでしか設定できないようなのでデフォルトの8mAのままになっています。

       DSD直接再生回路構成

半田ブリッジや接触不良、コネクタ接続間違いなどでトラブりつつも、どうにか再生にこぎつけました。トランスの先はFET差動バランス型ヘッドホンアンプです。



 普通に綺麗に鳴っています。もしかするとトランスのみで、さらにローパスフィルタを追加しなくても良いかもしれません。

 あとは、直流カットコンデンサの要否、直列の抵抗を入れたほうが良いのかどうか、ローパスフィルタの追加要否、フィルタ回路、カットオフ周波数、これらを入れるとしたら片側のみか、正負両側に入れたほうが良いのか?などなど回路的にどう改良すれば良いのか、アドバイスいただけると助かります。

7 件のコメント:

  1. これは、ラジオ技術2001年7月号 青木氏の記事と内容(原理も回路も)が同じですね。
    当時12年前にはソースにDSDが無く、1bitDACのPDM出力をトランス+CのLPFでアナログ変換したものでした。1bitDACの出力はPDMで形態的にはDSDと同じすね。
    LCのフィルタは共振周波数でピーク(可聴帯域外ですが)が出てしまうようで、Rを入れてダンピングしLCRフィルタに改良しました。

    このままバッファ段(ゲートとインバータ)を強力にすれば、これはD級アンプそのものになって、パワーアンプも不要になります。因みにバッファ段に加える電圧を可変すればボリュームになります。

    全く同じことが、DSDを使う別の視点で試されているのは、面白い事ですね。

    返信削除
  2. すでに実績があるとは心強いです。1bitアンプの場合、周波数が高いほうが音質が良くなるようなことを見かけましたが、DSD256にすると効果があるというのも同じ理由かもしれませんね。

     現状の回路でもアンプ無しでヘッドホン直でボリュームは小さいですが鳴っています。比べるとES9018のほうが大きいですが、バッファをFPGAからCMOSロジックICに替え、パラレル数を増やし、5V電源にすればヘッドホンぐらいならなんとかなりそうな気がします。

     バッファ出力電圧制御でボリュームにできるのはとても興味がありますが、実現方法は何かご存知でしょうか?
     CMOSロジックの電源電圧を制御してあげるのでも、範囲は限定されますができそうな気がします。

     アドバイスあればよろしくお願いします。

    返信削除
  3. ラジオ技術での記事を読み返してみると、PDM出力のポジ・ネガ出力は、チップから出ているものです。単にネガ側がポジの反転ロジックかは分かりません。と言うのも、PDM信号は所謂ノイズシェーピングの掛かった信号で、LPFを通して初めてアナログ信号になります。ポジ・ネガどちらもLPF後の信号は、時間軸で瞬間を捕らえても対称波形になり、トランスでPP(プッシュプル)合成可能です。LPF前の生PDM波形のポジ・ネガが対象かどうか???
    トランス自身が高周波遮断特性を持ちますので、自動的にLPF掛かり出力はアナログ的に程よくなっていても、入力で上手く対称動作しているか、厳密な意味で動作が成立するかが(私には)良く分かっておりません。上述、1bitDACチップの出力をお書きになっているDSD直接再生回路構成と同じもので12年前の試作では上手く行きました。記事で上手く行くと出ていたので試したに過ぎませんが・・・。1bitDACチップのポジ・ネガ出力はオシロで見る限り、単に反転だったような気もしますが・・、はっきり覚えていません。

    脱線しました、さておき、
    ポジ・ネガ出力にPowerMOS-FETにつなぐだけでOKだと思います。周波数的にもDSD程度(DSD512でも)の周波数なら問題なくスイッチできるでしょう。MOS-FETは単にON-OFFするだけのスイッチです。これに加える電圧をLM338などの電圧可変型レギュレータで出力電圧を変えればボリュームになるかと思います。実験していないので、音的にどうかや、ヘッドホンで音量が丁度良く制御できるかは分かりませんが、理論上は大丈夫な気がします。
    電圧を変える仕組みを、ICではなく、音的に考慮した電源回路だと更に良い結果になるかと思います。でも、LM338だと部品点数も少なく回路もとても簡単で試せるのでまずは良いかな、なんて感じます。
    アドバイスになっているか自信はありませんが、何らかのヒントになれば幸いです。

    返信削除
    返信
    1. 多分、PDM出力 単に反転で合っていると思います。

       PowerMOS-FETの回路、ありがとうございます。
       PowerMOS-FETの回路もどう組むのかよくわかっていませんが、bunpeiさんのリンク先の回路”MOSFET Driver + MOSFET, 1bit amplifier. just a High Speed H bridge and LPF.”が言われている回路とほぼ同じではないかと思います。
       まずは普通にアンプに接続する構成を固めてから、PowerDAC化を検討したいと思います。

      削除
  4. Bunpeiです。

    これは、匿名さんがまさに言っておられるようにD級アンプ(普通のPWMではなくDSDの)の例なのですが、いろいろ参考になる回路が出ていると思います。
    https://sites.google.com/site/koonaudioprojects/dsd-playback-system

    返信削除
    返信
    1. 最初の回路”MOSFET Driver + MOSFET, 1bit amplifier. just a High Speed H bridge and LPF."より、DSD Amplifier Ver.2のほうが、特性がよくなっています。これはLPFの差が主に効いているように思いますが、最初の回路構成で同じVer.2のLPFを採用するのは何か問題あるのか? またボリューム制御の方法も異なりますが、Ver.2の方法の方が良いのか?最初の回路に適用できるのか等、アナログ系の知識が乏しいためよくわかっておりません。
       なにかアドバイスがあればよろしくお願いします。

      削除
    2. Bunpeiです。

      diyAudio Forumの当該スレッドをお読みになればそのあたりの疑問点への回答に相当する説明があるかと思います。
      http://www.diyaudio.com/forums/digital-source/200818-dsd-playback-system-dsf-player-usb-ddc-dsd-amplifier.html

      削除